さくら野 弘前店で開催された「百花祭」に1day Kafeとして古川家も出店し、「世界のおかずBOX」を2日間販売、両日ともに完売しました。イベントの様子と商品についてレポートをまとめます。
1day Kafeのメンバーでもある、パスタ専門店 PastaYa のブログでも様子を紹介しています。
完売御礼! 1day Kafe in さくら野 弘前店
さくら野 弘前店に1day Kafeとして出店して3年目、今年は通算5回目になります。毎回、販売側として新たな発見があるのですが、今回は作り手としてチャレンジの機会となりました。
古川家にとって新たなチャレンジ「世界のおかずBOX」
店舗を持たない活動なので、日頃から古川家の様子をご覧いただいている方でも、直接こちらの料理を食べる機会は少なかったりします。
そこで、「古川家ごはん」をイベントのタイミングで食べてもらおう!というテーマがこれまでの中心でした。
活動継続を始め、1day KafeとしてPastaYa・Rasikuとの連携とも相まって、応援してくれる方も増えてきました。非常に嬉しいことだけに、せっかくの機会だからこそ食べてもっとワクワクするような取り組みにしたいねと、今回のイベントに向けて企画を考えていました。
そこで生み出されたのが「世界のおかずBOX」です。特別な機会だからこそ、一度に様々な味を楽しんでもらえて、普段は口にする機会が少ないもので食卓に刺激を提供したいと考えました。
食卓で旅をしよう
古川家の活動を説明するときに日本は食において非常に恵まれた環境であることを理由の1つとして伝えています。
世界各国の食材や調味料を取り寄せることができたり、日本に渡ってきた現地の方による料理を食べられる店もそこかしこにあります。
ならば自宅にいながら食を通じて旅をすることだってできるはず。
「世界のおかずBOX」をいつもの食卓に加えてもらって、「これはどこどこの国の料理らしいよ」「こんな香りなんだ」「日本のあれと味が似てるね」など、まだ見ぬ異国の風景を想像しながら会話が弾めば・・・そんなイメージを膨らませながら内容を決めていきました。
世界各国の家庭料理が9品!
カウカウ(ペルー)
ペルー版の「肉じゃが」です。
本場では牛モツを使うところ、鳥の砂肝で食感を楽しめるようアレンジしました。本場では黄色トウガラシの辛味ソース(アヒ・アマリージョ)が入ります。簡単に手に入るものでは、タバスコが近いでしょうか。今回は辛味を入れず食べやすくしています。
ダディの個人的な印象としては、できたてはある有名なインスタント食品の味にそっくりとのこと(笑)
アカラ(ナイジェリア)
ナイジェリアを始め、アフリカ料理の定番。例えるなら「豆ナゲット」。
日本人が好む「ふわっ」とした食感になるよう同じ豆製品である豆腐を追加しています。
見た目よりも味わい深く、後を引くおいしさです。
豆をタラに置き換えると「アクラ」というフレンチカリビアンの料理になります。色々と歴史的背景があるようなので、食という切り口から世界の一端を知るのも楽しみの1つです。
バターチキンカレー(インド)
今回のボックスの中では、試食の段階から1番人気でした。召し上がった方の感想でも1番人気のようです(笑)
個性豊かなインドカレーの中で日本人に一番合うかも?トマトベースなので見た目よりさっぱりとしています。
古川家は油脂と砂糖を減らし、野菜の甘味でいくらでも箸がすすむ味わいにしました。スプーンがすすむ、ですかね?
元々は、タンドリーチキンの残ったつけダレから作られたレシピだそうです。
ガー・ハップ(ベトナム)
ベトナムからは蒸し鶏。「ガー(鶏)」「ハップ(蒸す)」その名の通りです。
鶏胸肉にじっくり火を入れ、細切りにして食べやすく。魚醤のヌクマムで風味づけして甘辛く仕上げました。
マミィはパクチーが大好きなので、いつも「追いパクチー」しています(笑)家庭菜園で栽培するほどですからね・・・
鳥料理は古川家でもよく登場します。この料理は特に女性人気が高かったですね。
テキサスキャビア(アメリカ)
この料理はもうネーミングで入れることにしました(笑)
アメリカのサラダなのですが、キャビアは入ってません!ところどころの黒がキャビアみたいでしょ?・・・でしょ?
陽気なネーミングにぴったりなメキシコ料理の香りです。ピリ辛でさっぱり。自家製のトルティーヤチップも一緒に。
今回、様々なスパイスの組み合わせを試す中で、メキシコ料理の香りはこうやって作るのか!という発見がすごく嬉しかったです。
夜市風あんかけ(台湾)
台湾といえば「夜市」。欠かせないスパイスである五香粉を効かせた甘辛いタレはまさに台湾の香り。
厚揚げと青菜で飽きのこない味は、おつまみにもピッタリです。
台湾を訪れたことがあるマミィ曰く、台湾の屋台料理は全部この香り、と言っても過言ではないそうです。暑いところなので甘さも特徴だとか。
夜市ではお肉を使っているそうなのですが、タレが濃厚なのであっさりに・・・かと言って食べ応えは出したいので厚揚げにしたところピタッとハマりました。
試食係のぴよは、凄まじい勢いで食べていましたね(笑)
オリヴィエ・サラダ(ベラルーシ)
ベラルーシのポテトサラダ。美人が多い国として知られていますね。
日本人の6倍はジャガイモを食べるのだとか。酸味を効かせたあっさり味です。
ロシアが起源で、お正月料理として作られることもあるそうです。ジャガイモの甘さにピクルスの酸味と香りを加えているので、こってりというよりはあっさりです。
日本のポテトサラダは潰したジャガイモのイメージですが、こちらは材料が全て小さめの角切りなので食感も楽しめます。
ツヴィーベルクーヘン(ドイツ)
ドイツの玉ねぎケーキ。クーヘンとはケーキの意味で、見た目はキッシュみたいですね。
違うのは土台がタルト生地ではなく、パン生地であること。加えて、これでもかとたっぷり玉ねぎ。本場ドイツでは秋の新ワインと楽しむそうですよ。
見た目が全然違うのですが、香りがまるでナポリタンみたいだねと古川家の中で噂になっていました(笑)
下のパンは古川家の特性で、ピザ生地をベースに。香ばしさと甘さ、ほのかな塩気があとを引きます。
キョフテ(トルコ)
トルコ肉団子のポイントは何と言ってもラム肉!とはいえ苦手な方も多いので、少し控えめに。
古川家の自家製トマトソースでスパイシーながらも、やさしい味わいに仕上げました。
古川家はラム肉が大好きなので、試作の段階ではかなり入れていたんですね。でも、これ苦手は人には辛いね・・・ということ割合を下げて、なおかつトマトソースも野菜の甘みを生かしたものにしています。
家庭料理を知ることは、文化と歴史を知ることでした
「世界のおかずBOX」の候補には、販売した9種類以外にもありました。
味だけでなく、衛生やコストといった観点で見送ったものも。実際にすべての国へ行って味を確かめたわけではないので想像がほとんどです(笑)
ですが、できうる限り数多くのレシピを調べて、現地在住の方のレシピを見つけて調理してみたりもしました。
どちらかというとレシピそのものよりも、国の文化を紹介していたり、料理のルーツとなる歴史的背景・気候や風土が参考になりました。
気候によって食材の共通点が見つかったり、調味料1つ取っても料理の一部として定着するにはそれぞれ理由があるんですよね。そういった発見が何より刺激になりました。
それと、こういった商品の鉄則である「冷めても美味しい」という観点から、本来のレシピから食材や調味料を除外するという工夫もしています。
本場に欠かせない香りなどは残しつつも、結果的に「古川家アレンジ」ということで再開発したようなものでした。本場の味を追求しようとしても、普段の生活からあまりにかけ離れた仕上がりは、受け入れにくいものとなってしまいます。
それでもこういった形に落とし込むことができたのは、「家庭料理」というプロの料理とは違った懐の深さが大きかったと思います。
調べれば調べるほど、本場でもレシピが人によって、場所によって違うんですよね(笑)正解はないからこそ、食べた時の喜びや楽しみが最大限になるバランスってどこだろうね?という調整に多く時間を使っていたと思います。
かなり研究のしがいがって、作っている古川家が1番楽しんでいたかもしれません(笑)
再販は・・・
要望があればあるかもしれませんが(笑)まったく同じではなく、また何かしらアレンジを加えながらになると思います。
お買い上げいただいた方から感想もいただいて、みなさん「美味しかった」「おもしろかった」などポジティブな評価をいただいたので、ホッとしております。
今後もまた、料理研究一家の名の通り、食を通じてチャレンジしていきます。