「知ってる?世界のサンドイッチ」第12回を開催しました!
堀越児童館さんからのご依頼です。2019年の開催から、約4年半を経て久々の開催となりました。
リアル三顧の礼!?ようやくお応えできた機会
古川家にとって、「知ってる?世界のサンドイッチ」は食育企画として非常に大切な存在です。様々な出会いや喜びがあり、手前味噌ですがライフワークにしたい内容。しかし、コロナ禍だったこともあり、感染症対策を取りながらどう開催できるのか?明確な回答を出せず、諦めはしなかったものの開催に至りませんでした。
そんな中、現在「堀越児童館」にいらっしゃる担当の方(以前、何回か城東児童館で開催した頃からのご縁)に「開催どうですか?」と年に1回お声がけをいただいておりました。そのたびに「すみません」と開催したい気持ちはありつつも期待に応えられず歯がゆい思いをしておりました。
今回、ようやっと開催しようと決心できたのは、改めてお声がけいただいたことはもちろんですが城東児童館で開催した際にもお世話になっており、古川家の取り組みと考え方をよくご理解いただいていた方からのお声がけだったおかげです。加えて、感染症対策も物理的に解決しようとするよりも、主催・運営・参加者それぞれが手洗いうがい、事前からの健康管理を日常とする「今の当たり前」が浸透していたことも大きいです。
誰かが「そのぐらい」「一人ぐらいなら」という意識であれば、いくら物理的に対策しようと、あっという間に健康の防波堤は崩れてしまいます。免疫が下がった状態では感染症を広げるだけでなく、普段なら問題ない食事でもトラブルが起きてしまったりします。
この企画は、サンドイッチという文脈で食文化史を学び、自分だけのサンドイッチを作る調理体験もあります。衛生管理は必須で、そこに感染症対策が以前より明確な責任となりました。古川家としてはコロナ禍より前から感染症リスクを考慮して、インフルエンザが流行る時期などは避けたりと配慮していました。
以前よりも健康管理に対するハードルは上がっています。制限なくサンドイッチを作って、好きなだけ食べるという非日常は、みんな元気で過ごすという日常があって成立します。これならできそう。そう思える日が来たのは古川家にとっても大変うれしいことです。
幸せの「パンの山」16種10カ国
約4年半ぶりにこの様子を見ることができて感無量です!近づくとふわっとパンの良い香りが漂います。何度見ても幸せな光景です(笑)
参加した児童達も声をあげて驚いてくれます。準備を手伝ってくれる児童館スタッフの方々も。見たことない食べたことがないパンには誰もが興味津々。特にチャパティとフォカッチャが気になるようです。
インドカレーは日本でも馴染んだと思いますが、ナンを一緒に食べることが多いのでナンは児童も知っているようです。チャパティは発酵もいらず日常的に作れるので、現地ではチャパティが普段の食事で食べられているそうです。
フォカッチャはイタリアでこそポピュラーですが、日本ではあまり馴染みないかもしれません。これを薄くのばして焼くとピザになるんだよという話に児童達は驚きつつも納得したようでした。
世界中にパンがあり、トルティーヤとチャパティなんて見た目もそっくりです。ですが、国が違えば材料も文化も変わってきます。でも同じ形になってたりするんです。逆にピタとベーグルのように、材料がほぼ同じでも作り方と焼き方でこんなに見た目も味わいも変わってしまう。サンドイッチのベースとなるパンは非常におもしろく奥深いものです。
ひっかけ?いじわる?恒例のサンドイッチ講座とクイズ
目の前に食べ物が並んでいたら、すぐに食べ始めたいところですが、ぐっと我慢してもらって「サンドイッチ目線の食文化史」に触れてみましょう。
今回は久々だったことと、初めての場所だったのでダイジェスト版のいいとこ取りです。しかし、恒例のクイズだけは外せません!1問目のクイズはみんな見事な回答でダディは大変満足です(笑)2問目では、変わらずみんな素直なので「1問目でダディがどういう人か分かったら答えられるよね!?」と振ってみたところ、全員正解してくれました。楽しい(笑)
サンドイッチがどのように生まれたか、それは諸説あります。ただ、今どうやってその文化が続いているのか、日本にはどうやって入ってきたのか。それは知る人ぞ知る内容です。サンドイッチの歴史、ひいてはパンの歴史も含め、人間の食文化史はどこを切り取っても興味が尽きません。自分にとっても非常に勉強になっていますし、料理のアイディアにもなっています。この分野については、きっと一生あれこれと試したり学んだりしてるだろうなと確信めいたものがあります。
自由だから難しい!?食べ方のリミットを外せるか!?
さて、いよいよ待ちに待った調理体験です。自分だけのサンドイッチを作って食べてみましょう。一通りパンの特徴と発祥の国について説明し、グループ毎に好きなパンと具材を取りつつサンドイッチを作ってもらいます。
とはいえ、人数もそれなりに多いので順番を待っている間はオリジナルのランチョンマットとサンドイッチに挿す旗作りをしてもらいました。マミィ発案なのですが、定番となった今、これが思いの外みんな楽しそうにハマってるんですよね。個性豊かで見てるだけでも非常に楽しいです!
準備ができた児童から、パンの山へと向かうのですが・・・やはり食べ慣れたパン、見たことのあるパンから手に取っていきます。いきなりチャパティを取るツワモノはいませんでした(笑)袋状に開くピタと平たく薄いトルティーヤが今回は好評でした。開催する場所によって人気のパンが異なるのは、古川家にとっても興味深い内容です。
パン屋さんの協力もあって多種多様なラインナップなのですが、開催地域によって知っているパン屋かどうかも異なるので、消費スピードもそれで変わったりします。地域と商圏は密接してるんだなと勉強になることもしばしば。
この会場での特徴としては、とにかくデザートゾーンが人気!おかずゾーン肉ゾーンそっちのけで最初にデザート。最初なの!?
マシュマロハンバーガー作ったり、一般的にはお肉や塩味のあるおかずを合わせそうなパンに対してデザートを使ってるのはおもしろいですね。大体はボリュームや形でオリジナリティを出そうとするケースが多い中、パンとの組み合わせで変化させるのは意外になかったかも?
そんな中、今回は運営として参加してくれたぴよがやってくれました。
おかずゾーンの横に漬物ゾーンを用意してあります。ぴよの大好物は漬物。この食材で食べ合わせの研究をしないわけがありません。結果できたのが「缶詰みかん+さくら大根」。ブルーベリージャム+紅ショウガ以来の衝撃でした。
以前のぴよと違うのは、なぜこの組み合わせなのか説明できるようになったこと!試してみたら、しそジュースの味になった!とのこと。どうやって思いついたの?と、今のぴよなら何か刺激的な説明をしてくれるのではと期待したところ「何となく。」センスか。センスなのか。ダディは言語化できませんでした。
このあたりでは夏場に大量に収穫されるナスと赤じそを使った「しそ巻き」という郷土料理があります。ナスと味噌を赤じそで巻いて炒めたものです。他にも赤じそを煮出して砂糖と合わせてシロップにする消費方法があります。
これを氷と水で割って飲むという楽しみ方。それが「しそジュース」なんです。
食べてみると・・・確かに!しそジュースと同じ風味を感じる!?というわけで、ぴよ独自の世界観は健在でした。パンの組み合わせ、おかずの組み合わせ、デザートの組み合わせと考えるところに「おかず+デザート」もと、組み合わせは本当に自由です。
おかわり自由だからこそ、何度でも試せる。それがサンドイッチ作りを楽しむことにも直結します。経験を重ねると、正解がないこと、自由であることを難しく感じることも増えますが、ここでは自由であるほど楽しい。正解がない中から、今の自分の正解を選んで形にする。おいしそうだから、試したことがないから、食べたことがないから。
それらはすべて好奇心として原動力になる!そんな時間になればなといつも思っています。
味変を楽しむための野菜おかず
今回の野菜おかずは、ソースやトッピングで味変を楽しむことを念頭に置きつつ、児童が食べてくれそうな味付けを目指しました。
- もやしと水菜のナムル
- キャベツとコーンのコールスロー
- 鶏皮と野菜の中華和え
- 塩麹蒸し鶏
- にんじんマリネ
ソースは、マヨドレ・ケチャップ・お好み焼きソース・照り焼きソースの4種類。それぞれでも混ぜてもいいようにして、味付けは自分で決めてもらうという考え方です。
漬物とマヨドレでタルタルが作れるとか、色々なテクニックもあったとは思うのですが、パンの説明の時にもっと作り方を自由にできる導入を入れて良かったかもしれません。調理経験のない子がほとんどでしょうし、リミッターを外すにしてもこちらが先に外したもの見せて「いいんだ!?そんなのありなんだ!?」ぐらいが楽しかったかもしれませんね。
作って食べる喜び
久々の開催ですが、無事に終えることができました。いつも最後に書いてもらうアンケートは宝物です。
サンドイッチを食べること自体が初めてだったり、サンドイッチの歴史を知ったり、パンの種類がたくさんあることを知ったり。参加した児童によって得たこと感じたことは様々だったようです。
人間にとって食べることは生きることそのもの。食を中心に据えた活動は古川家にとって非常に重要な意義を持っています。児童が参加できるよう送り出してくれた保護者のみなさん、貴重な場を設けてくださった児童館のみなさんには感謝が尽きません。また、このような日を迎えられたことは嬉しいばかり。
健康で、元気で、好きに食べて、今日も生きる。そんな時間が最高です。食文化史という切り口で触れた刺激も何らかの形で食や料理への興味関心につながれば、これほど嬉しいことはありません。
参加者の様子を見てしみじみと噛みしめながらダディはピタサンドをダブルにして挟むというボリュームのリミットを外した「あごブレイクバーガー」を作ってご満悦。
マミィの細かく行き届いた配慮のおかげでスムーズかつ安全に食事を楽しめ、何より中学2年生になったぴよが運営として手伝ってくれる日がきたことも感慨深いものでした。骨折中にも関わらず、よくがんばってくれました!ありがとう!
児童からは「楽しかった!」「おいしかった!」「また来て!」「次はいつ!?」と嬉しい言葉ばかりもらえました。特別開催という形ではありましたが、やはり「知ってる?世界のサンドイッチ」はブラッシュアップしつつ継続したい企画だと改めて思った次第です。
ステキな時間をありがとうございました!
今回登場したパン
イギリス
- マフィン
フランス
- バタール
- バゲット
- パリジャン
- パン・ド・カンパーニュ
- クッペ
メキシコ
- トルティーヤ
インド
- チャパティ
イタリア
- フォカッチャ
エジプト
- ピタ
アメリカ
- ホットドッグバン
- ハンバーガーバン
ポーランド
- ベーグル
ドイツ
- ミッシュブロート
日本
- 食パン
- ラウンド