弘前地区小学校教育研究協議会養護教育研究会から「体にやさしいおやつ・軽食作り〜食物アレルギーをもつ子の親として〜」と題された研修会で講師の依頼をいただきました。
参加者は、弘前地区小学校養護教諭・栄養教諭ということで身近な言い方だと「保健室の先生」でしょうか?
以前、弘前市内の中学校で米粉を使ったデコレーションケーキづくりのワークショップを行ったことがあるのですが、そこに参加された方からの紹介がきっかけだったそうです。
人の縁はどこでどう繋がるかわかりませんが、大変ありがたいことですね!
制限の中でどれだけ自由になれるか?
講演+実習という形式でした。ぴよの下校も間に合ったので、家族3人で臨むことができました。講演内容については古川家について。料理研究一家「古川家」についてにまとまっているので割愛するとして(笑)
古川家がなぜこういう実習内容を提案したのか?どういう発想から、家族ユニットという形で活動しているのか?その根拠を説明するための講演でもありました。
後半では、ぴよが鶏卵・魚卵のアレルギーを持っていること、アレルギーを持っていても食を楽しむ選択肢は多くあるなど、事例と具体例を提示しながら古川家の考え方と取り組み方を共有しました。
以前、JAつがる弘前さんからの依頼で「米粉のりんごDECOケーキ」という企画がありました。
この内容自体、「アレルギーを持っているけど、みんなと一緒におやつ作りをしてみたい」という要望への取り組みがきっかけになっています。
アレルギーがあるからと腫れ物のように扱うより、制限がある中でどう食を楽しむか?できない理由より、できる方法を考えることでアイディアや耳寄りな情報は見つかるものだと思います。
特に米粉ホットケーキのレシピを編みだして、そこから様々な発展へとつなげていってくれたマミィの研究あってのことです。まさに料理研究一家(笑)
ぴよが試食係からジョブチェンジ?米粉ホットケーキづくり
先日の既婚男性向け料理教室「はじめての旦那ごはん部」とはうってかわり、今回は経験者ぞろいでした。水分とのバランス、火加減を作るぐらいを話しただけなのですが、みなさんグループでサクサクと作っていきます。大きさも厚さも自由です。どう食べたいか?が大事ですよね。
古川家として大きかったのは、ホットケーキを焼くデモンストレーションをぴよが担当したことですね!以前からホットケーキは完全にひとりで作れるようになっていて、休日の朝ごはんとして登場してました。フルーツのカット、盛り付けも含めて工作感覚で楽しんでいるようです。
長らく試食係に専念してきた?ぴよがみんなの前で調理をする日が来るとは!特に緊張せずいつも通りに作っていきます。大物かよ。
参加者のみなさんも、ぴよのところに来て焼き加減を参考にしてくれたりと、調理実習として成立していて、両親が最も驚いていたと思います(笑)
本番はトッピングから!
今回、ホットケーキ作りは恐らく問題ないだろうから「知ってる?世界のサンドイッチ」のように、自由に食べることを楽しんでもらおう!ということで、秋の味覚を取り入れたトッピングを用意してみました。
古川家が手がける企画の特徴と思いますが、型にはめたくないんですよね。参加者が自分で選択して作った結果が1番大事ですし、得るものが多いと考えています。
マミィとあれこれと企画について話し合っていたときに、これ手に取ってくれるかな?こっちの方が使いやすい?など色々と悩んだのですが、いずれの心配も無用でした(笑)
ホットケーキがまず土台だとすると、そこはどのグループも火加減など見ながら、わりと静かと言いますか淡々と作っている様子でした。そうだよね、学校の先生同士がしょっちゅう集まるわけではないし、急に「一緒に作りましょう!」というのも難しいよなぁ・・・など思いながら各調理台を回っていました。
違ったのです。そういうことではないのです。トッピングでした。そこから本番。急ににぎやかといいますか、みなさん思い思いにトッピングというかデコレーションを始めて、和気あいあいと「ずっと友達で久々の再会だったんです!」みたいな勢いです。
今回、主要アレルギー食物を避けても、ここまで楽しめますよ!ということを伝えたかったのですが、時短のホイップクリームは既製品を使ったり、暑い日だったのでアイスを用意したりしました。彩りに冷凍ベリーもステキです。「冷凍庫にバニラアイスと冷凍ベリーもあるので良かったらお使いください!」って伝えたら、「わぁ!」ってすごい嬉しそうな声が聞こえてきましたからね!よかった(笑)
リンゴのバラも人気で「キレイ!どうやって作るんですか?」と聞かれ、マミィのプチ講習が始まったりと見ていて微笑ましいシーンばかりでした。いいですね、これですよ。食は楽しんでこそです!
アレルギーはもっと当たり前の存在に
みなさん楽しそうだし、ぴよも思う存分デコレーション楽しんでて(笑)
安心して安全に食べられるというのは、大前提ですが、それさえ実現できればどこでも手に入るような食材を使って安価に大満足の食事ができます。
学校の給食でも対応食があったりと、様々な配慮に頭が下がります。それを踏まえた上で、安全のための区別は大事だと思いますが、たとえ思いやりからの行動であっても、行き過ぎると差別にすらなりかねないバランスの部分もあります。
アレルギー反応はなぜ起きるのか?というメカニズムは分かっても、何がきっかけでアレルギー反応が始まるのかは未だに分かっていないことが多いそうです。ぴよのアレルギー検査など、これまでの経験を通じて学ぶことが多々ありました。
アレルギー対応した食品が珍しかった時代から、今は食品の表示も細かくなり、アレルギー食物の表示も多くの場所で確認できます。本当に助かるばかりです。
これまで特殊あつかいだった状況から、もっと身近で当たり前の存在になっていくと思います。
以前、パン屋さんを取材したときに「小麦アレルギーにいつなるか分からない不安はあります。でも、できるうちにパン作りをとことんしたい」というお話を伺って、そうかそういう考え方で取り組んでいるのかと、自分にはとても印象に残っています。
アレルギーを持っているからと引け目を感じる必要はありません。ですが、食べ物が凶器に変わるリスクをまず本人が自覚して、周りと付き合うことも大事だと思います。
好意でいただいたお菓子も、原材料表記がなければお礼を伝えた上で、丁重に断ることも自衛と言えます。せっかくの行為を無駄にせず自分の身を守る。
外食時に確認をとることも必要です。まぁ大丈夫だろうと食べて事故を起こしたら、責任を問われるのはお店側です。
選べることの大切さ
リスクを避けていって選択肢がなくなるかと思えば、そんなことはまったくありませんでした。食品表示を確認するだけで、かなり多くの情報収集になります。古川家にとっては料理レパートリーを広げるきっかけにすらなりました(笑)
スーパーの売り場ひとつとっても、日本の食環境はすばらしいと思うばかりです。確かに過剰包装、過剰表示と言える要素もあるとは思います。
それでも、これだけ安全策をとりながらも楽しめる選択肢がある環境で、本当に良かったと実感しています。
できない理由より、できる方法を。今回のような実習を通じて、また古川家なりに食の楽しみ方を伝えて行けたらと改めて思いました。
ステキな機会をありがとうございました!